丸山清人個展 「THE銭湯富士~伝説の背景画絵師~」
平成28年1月8日(金)~1月18日(月)
12:00~19:00(最終日17:00まで)
入場無料 水曜休廊
銭湯・・・それは古き良き昭和の時代の温もりを今も残す日本人の心の故郷。
広々とした湯船にゆったりと浸かり、雄大な富士山の絵を見ながら一日の疲れを癒す時、誰もが失われた何かを想い出す。
約100年前に初めて描かれた銭湯の名物ともいえる「ペンキ絵」は、庶民文化の歴史においても大変貴重な素晴らしいアートです。
現在それを熟練の技で描くことのできるペンキ絵師は日本で二人しかおらず、その一人が今年80歳最高齢の伝説の背景画絵師丸山清人氏です。
丸山氏の熟練の刷毛さばきは信じられない速さと正確さで作品を完成させていきます。その制作過程もが一瞬のアートと呼ぶにふさわしいほどです。
湖から望む壮大な富士の山、優しく広がる穏やかな湖。匠の技で描かれたその繊細な質感や空気感は観る者全てに静謐を感じさせるまさに「静の世界」です。
今回の個展では家に飾っていただけるサイズほどの貴重な直筆のペンキ画大小約30点が展示販売されます。丸山氏の描く「THE銭湯富士」をゆっくりお楽しみ下さい!
※今回個展のDMビジュアル「本栖湖 赤富士」に関して
朝陽が雲にあたり反射した光が富士を赤々と染める一年に一度あるかないかの奇跡の現象「赤富士」は古来より大吉運の兆しとされ、観る者の運気を上げて幸福を招くと言われています。縁起画として描かれることの多いこの「赤富士」は銭湯画で描かれることはほとんどなく、それゆえに出会えた者には幸運が訪れるという幻の銭湯画です。この縁起の良い「丸山赤富士」をご覧になって開運の願いを叶えて下さい。
銭湯の背景画は、大正時代に千代田区にあった銭湯が、入浴されるお客さんを楽しませようと壁に絵を描いたのが始まりとされております。その後、広告会社がこの浴場壁画を無料で銭湯へ提供する代わりに、地元商店街などの広告を壁画の下に掲示させてもらうという形で広まりました。銭湯背景画の最盛期は1970年代で、当時は都内だけでも2,500~2,600軒もの銭湯があり、丸山さんも1日に2つの銭湯で絵を描き上げる日があるほど忙しかったということです。
丸山清人プロフィール
1935年(昭和10年)生まれ。父親が銭湯広告物専門の会社に勤務していた関係で幼い頃から画師がそばにいる環境で育つ。絵を描くことが好きで、美術学校を卒業後、父親と同じ会社へ就職し、ペンキ運びなど兄弟子の手伝いからスタート。現場で絵師としての技術を学び、25歳には一人で絵を任されるようになる。名実ともに銭湯背景画師の第一人者。